インフルエンザの予防接種を毎年受ける理由

インフルエンザの予防接種を毎年受けるようによく言われますが、他の予防接種なら1回きりで済むものが多いのに、なぜインフルエンザの予防接種だけは、年が替わるたびに繰り返さなければならないのでしょうか。簡単に言ってしまうと、インフルエンザウィルスの遺伝子は変化しやすく、92%くらい遺伝子が変化してしまうと、以前にかかったときの免疫効果がなくなってしまうからです。インフルエンザは突如の高熱・頭痛・関節痛など普通の風邪に比べて症状が重く、 肺炎などを併発することにより重症化するケースが多いのが特徴で、毎年インフルエンザで死亡する例が後を絶ちません。インフルエンザの予防接種は、発病を100%防ぐものではありませんが、発病・重症化防止のために極めて高い効果があります。
いずれにせよ、予防の基本は流行前にインフルエンザの予防接種を受けることなのですが、インフルエンザ予防接種を受けてから抗体ができるまでに3〜4週間ほどかかりますので、冬場に入る前に受けることをお勧めします。

効果はどれくらいあるの?

インフルエンザの予防接種は2回受けた方が効果があるとされているのは、最近の研究で、成人の場合インフルエンザの予防接種が1回ですと予防効果が64%で、2回接種するとその効果が94%まで高まると分かってきているからなのです。この数値を見ると、インフルエンザの予防接種は2回の方が確実に効果が高いことが分かりますが、100%予防するものではないということも認識しておくべきでしょう。
ただし、12歳以下の子供は、免疫力が少ないという可能性が高いので、インフルエンザの予防接種を2回受けてこその予防効果があるとして必要とされていますし、65歳以上の方も、肺炎などの合併症が起こって重症化するのを防ぐという意味で、インフルエンザの予防接種は2回受けられた方がよいでしょう。また、受験生であったり、どうしても仕事を休めない職業の人や、喘息など気管支に持病のある人なども2回の接種をした方がよいでしょう。

インフルエンザ予防接種の副作用

インフルエンザの予防接種では副作用のことが心配となって質問としてよく出てきます。特に多いものとしては、卵アレルギーのある人がインフルエンザの予防接種を受けた場合の副作用です。以前は精製技術が進歩していなかったために卵由来の成分が残ってしまい、それが原因で卵アレルギーの副作用がごくまれに起こったのも事実ですが、近年のワクチン開発技術の目覚しい向上を見ても分かるように、ワクチンは高純度に精製されているので、副作用はほとんど問題となりません。ただし、極めてレアなケースとして、卵を食べてショックを起こしたことがあるというような重篤な卵アレルギーがある場合、副作用については医師とよく相談した上でインフルエンザの予防接種を受けるようにしてください。
また授乳婦に関しては、副作用というよりも子どもに対しての影響を考える方が多いようですが、病原性をなくしたウイルスの成分を用いているため、インフルエンザの予防接種は何ら支障はありませんし、副作用の心配はありません。

Copyright © 2008 インフルエンザ予防接種の効果、副作用について